ニュースを見ていて朝日新聞の社会部長のコメントとして、「正当な取材の一環で、法律上も報道倫理上も問題ないと考えます」と違法の可能性まで否定したのには驚きました。この事案は明らかに不正アクセス禁止法違反であって捜査当事者でも無い新聞記者が他人のアカウントにアクセスしておいて「問題無い」と開き直っています。

この社会部長さんはシステムについてどう考えているのでしょうか。私たちシステム管理者は常にアクセスログからそのアクセスが適正かどうか判断したり、判断されたりします。システム管理業務に関係ない管理者のアクセスは特に厳しく監査されます。今回の件は取材であれば法律もプライバシーも関係ないと言っているように思えます。
システム管理者はユーザーのパスワードを管理します。その気になれば「なりすまし」は可能です。一方「朝日新聞記者の不正アクセス容疑について」という広報部の署名記事で、会社の見解として違法でない根拠を説明した。そこでは、2012年10月9日の犯行声明メールにパスワードが記載されていたし、真犯人とみられるパスワードの利用権者がアクセスを承諾していたのは明らかだと強弁しています。つまりパスワードが告知されたアカウントはアクセスしてもいいと言うことです。言い換えればカギが空いている家には勝手に入ってもいいと言うことになります。それが問題だから「不正アクセス禁止法」が改正され現在に至っています。
朝日新聞社の社員には情報システムのリテラシー教育が必要と思いますがいかがでしょうか?
無断アクセスの記者を起訴猶予
8月23日 20時47分
パソコンの遠隔操作事件で真犯人を名乗る人物が送ったメールのサーバーに無断で入ったとして、不正アクセス禁止法違反の疑いで書類送検された朝日新聞社と共同通信社の記者5人について東京地方検察庁は起訴猶予としました。
朝日新聞社の記者3人と共同通信社の記者2人は、パソコンの遠隔操作事件の真犯人を名乗る人物から送られてきた犯行声明メールのサーバーに無断で入ったとして、不正アクセス禁止法違反の疑いで、ことし6月、書類送検されました。
これについて、東京地検は23日、全員を起訴猶予としました。
その理由を「記者たちの行為は違法だが、事案の性質や内容に加え、いずれも反省していることを総合的に判断した」としています。
朝日新聞社の森北喜久馬社会部長は、「犯行声明メールが本物なのか確かめるための正当な取材の一環だと考えている」というコメントを出しました。
また、共同通信社の石亀昌郎社会部長は「形の上では法に触れる可能性があるとしても真相に迫るための取材であることは明らかで、捜査当局に説明し理解を得られた結果と考えている」というコメントを出しました。
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心底がっかりしました。