
サービスデスクはITIL Ver2にて「ユーザーとサービスマネージメント間の集中的な窓口として活動する」となっています。ITIL Ver3ではサービスオペレーションの一つとして定義されています。集中的な窓口とはシステムに関する事はここサービスデスクに問い合わせればよいことになっています。ユーザーからの問い合わせ窓口ですので優秀な人材が配置されます。受付なので新人と思うかも知れませんが、インシデントの一次切り分け、エスカレーションの必要性など総合的な知識が必要になります。病院でも初診には部長クラスが対応する事もあります。
開発案件で訪問したある会社のシステム部さんではインシデント記録がありませんでした。ユーザーからの問い合わせ履歴、対応状況、内容などクローズするまでのデータベースです。しかも各部署単位に担当が分かれており情報共有がなされていません。せっかくのシステムの専任チームなのにサポートの有効性と効率性の追求が不十分になります。このような環境では要件定義から基本設計まで時間がかかってしまいます。
システム屋はたいていデータベースを作るのが好きな方が多いので、インシデント管理DB、構成管理(CMDB)などを作っていくと管理者として業務がおもしろくなるかも知れません。この考えで作られているのが「携帯電話SHOP」だと思っています。窓口に行けばその場で新機種が使える状態で渡されます。料金の支払いもできます。たいていのことはひとつの窓口で解決しています。自分で作成したインシデント管理履歴を見ていると自社のシステムの問題点が客観的に見えてくるかも知れません。
ITILは社内でITサービスを有効活用するためのフレームワークであり、最近は資格試験を受験する人も増えてます。本書はITILの最新バージョン「ITIL v3」について、理論の意味や実践方法などをわかりやすく解説しています。著者は早期にITILファウンデーションの資格を取得して、ITコンサルティングの職務で活躍するほか、ITILの日本語化に参画するなどの実績があります。また、難しい概念は一般家庭内の出来事にたとえて理解しやすくしており、ITILを勉強するための1冊目の解説書として最適です。
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