ユーザーからの問い合わせでシステム担当者を困らせるものが「原因は何」「原因がわからなかったら対処できないでしょ」という原因についての確認です、既に原因がわかっている(ITILでは既知のエラーと言います)内容でしたら即答もできるのですが原因が不明なものもあります。原因不明でも再起動などで直ることもあります。ユーザーはシステム担当者は「すべて解っている」と思っているようですが原因が特定できないインシデントは結構ある物です。原因はと言われると「業務を続けてください、結果は後日お知らせします」と伝えて空いた時間に調査をします。

インシデントを受け付けたシステム担当者が解決できない時はエスカレーションを行います、エスカレーションはより高度なサポートを要求する機能的エスカレーションと主に判断を仰ぐ階層的エスカレーションがあります。システム担当者は最後までモニタリングしてユーザーに「解決・復旧」を確認後にクローズします。
ITILサービスマネージメントでは原因と現象の回避は切り離して考えます。つまり業務に支障が無いようにすることが優先で原因の特定は後回しになります。フリーズする原因がグラフィックドライバーであったり、ソフトの相性であったりしますがそこにたどり着くには時間がかかります。以前ですとシステム担当者はシステムだけ検査して「システムは正常です」と言って通る時代がありましたが、ITILサービスマネージメントのフレームワークの普及と共にサービス、業務の継続性優先になりユーザー教育などのプロアクティブな展開も盛んになっています。このサービスデスク担当者はコミュニケーション能力と「優先度」を判断できるスキルが必要だと思います。
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