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システム屋さんの忘備録

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販売管理システムの計上タイミング 2

食品会社の顧客から、「得意先から請求通り金額が入金されない」のですが販売管理システムではどのように処理すればいいですかとの運用相談です。企業会計では最近では発生主義と実現主義で計上する傾向になっていると前回お話ししました。また請求額と計上額は別に考えると説明しましたがこの部分をわかってもらえない顧客が意外に多いと思います。

経理マン

原因はいろいろあります。得意先の計上基準で支払う、つまり得意先で検収した分だけ支払ってくる場合です。上場企業や大手さんでは請求額にかかわらず仕入れが確認出来た分のみ支払います。よくあるのは月末出庫して翌月に得意先に着荷する時などで積送在庫などと呼ばれるケース、その他に請求間違い、得意先の仕入れ計上間違いなど原因はさまざまです。差異は発生しますので重要なことは差異の理由を把握することです。顧客には差異理由、金額などを記載した差異リストを作成し管理することをお勧めしています。処理方法ですが、販売管理システムの機能にもよりますが、部分消し込みに対応しているのであれば入金額に合わせて順に消し込みを行い入金額に合わせます。

販売管理システムでの計上タイミングは、カットオフ(期間帰属)の対象になります。出庫依頼書、配送依頼書、運送便の伝票などの日付けが正しいかどうかなどを監査法人などが定期的にチェックします。監査時には売掛や買掛の担当者は指示を受けて伝票探しに社内をかけずり回っていました。このチェックによって粉飾でよくある架空売上、棚卸し資産の水増し計上などを発見できることもあります。上場する会社の販売管理システムでは入力、訂正などの操作記録(ログ)が必須になります。またワンライティング機能を搭載する企業もあります。

計上基準(出荷基準、検収基準、着荷基準など)については監査を担当する監査法人と合意することが必要で、その合意内容によって監査が実施されます。
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